※この記事には『UNDERTALE』の重大なネタバレを含みます
未プレイの方は絶対読まないようにしてください
あと当然ですが『UNDERTALE SYMPHONIC CONCERT 2024』の演出ネタバレもありますので、これから行く予定の方も見ないようにした方がいいです
3月16日(日)開催分の『UNDERTALE SYMPHONIC CONCERT 2024』に行きました。
あまりに凄すぎてTwitter(現X)の140文字では感情が収められる気がしなかったので、いっそ記事を書くことをケツイしました。
ちなみに当日は2部構成でしたが、通し券を購入したので、前半後半それぞれの感想を分けて書くことにします。
またセットリスト記載の全曲に感想を書こうと思えばいけると思いますが、流石に記事が長くなりすぎるので書きたい部分だけ書きます。
前半:【Cプログラム】Once Upon a Time
公式パンフレットによると「UNDERTALEのストーリーに沿って展開することを意識して作ったプログラム」とのことで、セットリストも初回プレイ(Nルート*1)→周回プレイ(Pルート*2)という流れで組まれていた。
ここまではパンフから全部分かっていた情報だったのですが、コンサートが始まって初めて実感したのは、アンテは「アズゴア一家の物語」なんだなということ。
というかOvertureでPルートで登場するアズリエルとニンゲンの成長記録ビデオを流すのは流石に反則だと思う。そんなん流されたらアズゴアとトリエル、アズリエル(フラウィ)のことを念頭に置いて聴かざるを得ないではないか。
・トリエル戦戦闘BGMの『心の痛み』時点で映像も相まって涙でマスクの中がひどいことになったので、これ以降はタオルを握りしめながら聴いていた。
・『ドッグソング』でレッサードッグが登場してきてちょっと笑ってしまったけど、アンテのイヌ戦で一番印象深いのはレッサードッグだから仕方ないね。
・あとやっぱアンダイン周りの楽曲はものすごくカッコいい。演奏するのめちゃくちゃ大変そうだけどカッコいい。『正義の槍』ももちろんカッコいいんだけど、『アンダイン』の重低音がオーケストラだと響いて本当に良かった。
・アズゴアは、Pルートや『Deltarune』でのトリエルの尻に敷かれている可愛らしいくてちょっと情けないパパのイメージが強くなってきたが、『Bergentrückng』と『アズゴア』での金管楽器による重厚な演奏が、アズゴアの一国の王としての威厳ある姿や王という立場にあるからこその哀しみを表現していて素晴らしかった。この日一日でアズゴア王が大好きになったほどに良かった。
・……ってなった後の『最高の悪夢』は本当に最悪だった(褒めている)。何度ゲームで見たか分からないのに「やめろ!!!アズゴアをころすな!!!!!」と心の底から思ったし、ゲーム映像を合わせてくるのは流石にひどすぎると思う(繰り返すが褒めている)。
・アズリエル戦の楽曲は、曲もカッコいいけどゲーム映像で色んなことを思い出してずっと泣いていた。握りしめててよかったハンドタオル。アズリエルに取り込まれたタマシイに呼び掛けて一人一人戻ってくるシーンは何度見ても泣く。
・『全員集合!』と『これでホントにサヨナラ』はエンディング映像以外のゲーム映像も沢山流れていたけど、よく考えるとアズリエルの「ニンゲンは人間たちを憎んでいた(意訳)」というセリフのシーンとぷんすかみゅうみゅうのクリア後会話シーンとメタトンのクリア後会話シーンはプログラムDへの複線だっただろこれ。
・アンコール曲は『イヌじんじゃ』と『サンズと戦う時に流れるかもしれない曲』のメドレーで、とにかく明るくてアップテンポで楽しいエンディングだったが、この時私は「あれ…?これもしかしてプログラムDってGルート*3だよな…?このハッピーエンドを全部すべてぶち壊すことに私の精神耐えられるのか…?」ということに気付くし、何ならプログラムDを見ずに帰ろうかと一瞬考えてしまった。結論、帰らなくてよかった。
後半:【Dプログラム】Dear True Hero
何となく察していると思うが、筆者は『UNDERTALE』ではアンダインが一番好きである。だから「True Hero(=アンダイン)」の名を冠したプログラムが見たくてこの日程の公演に応募したのだが、前半時点でこの選択を少し後悔していた。だってGルートは確実にタヒぬじゃんアンダイン。
あと会場には演奏中にゲーム画面を投影するためのモニターが設置されており、開演前のモニターには以下のようにコンサートのロゴが常に表示されていたのだが、
何とプログラムDの開演前モニターには十数分間隔で一瞬だけ「キャラ」が投影されているのである。
どう考えてもヤバい。
客席からも悲鳴が上がったし、あと開演時間が近づくとキャラの顔が怖くなってくる。
始まる前から手先が冷えてきたし、コンサートで初めて「頼むから開演しないでくれ」と祈った。
これは開演直前に何かを察した私のツイート。
アンテのオケコン、詳細は避けておくが、プログラムDとんでもねぇホラーかもしれない
— ひややっこ (@cold_soy) 2024年3月16日
逝ってくる
・オーケストラの入場、何かプログラムCでは身に着けてなかった装飾が増えてる気がするが、気のせいじゃない、リボンとかチーフとか赤い装飾品が増えてる。これGルートの血まみれ表現だろ。
・Overtureで音楽と映像と併せて早々に始まる虐殺とMEGALOVANIAのサンプリング。もうやめてくれ。曲そのものはめちゃくちゃカッコいいのとプログラムCとの幸福な気持ちとのギャップと、ついでに開始前のホラー演出で頭がめちゃめちゃになりそうだ。
・セットリストの流れは、なんと冒頭の流れはほぼプログラムCと同じ。だが合間合間の不穏なゲーム画面、不自然に途切れる演奏、あまりに不穏すぎる『心の痛み』のアレンジ。やめてくれ。
・書き忘れていたが、プログラム内で演奏される曲は組曲形式となっており、数曲ごとにグループ化され、演奏前にはモニターに組曲名が表示されるようになっている。
組曲名「スケルトン兄弟とゆうしゃ」。モニターに映し出されるPルートでのパピルスとアンダインの家の前でのツーショット。不穏すぎる。
・アンダインのGルート専用戦闘曲『本物のヒーローとの戦い』。原曲はもちろん、演奏されたアレンジもカッコいい、そして何よりゲーム中のアンダインは本当に「ヒーロー」であり、とにかくカッコいい。そんな中モニターにはPルートでのアンダインとの思い出のシーンが投影される。人の心とか無いんか。そしてこの曲が終わって組曲「スケルトン兄弟とゆうしゃ」も終わる。モニターには誰もいなくなったパピルスとサンズの家の前。人の心とか無いんか(二回目)。
・そして同じ演出を『ゴースト・ファイト』と『怒りのマネキン!』と『スパイダーダンス』でするな。マフェットを倒した後の演出があまりに悲しすぎる。
・組曲『Battle Remix for UNDERTALE』は戦闘曲のリミックス楽曲。ただでさえカッコいいアンテの戦闘曲をビッグバンドスタイルのアレンジを行っていて、めちゃくちゃカッコいい。でも画面に映されるのは虐殺シーン。この時は画面見ずにずっとソロ演奏を見ていた。
・組曲『最後の審判』はネームドキャラとの戦闘曲をメドレーにして、最後に『MEGALOVANIA』に繋げる楽曲。今までのメドレーアレンジも画面の映像も全部が全部この『MEGALOVANIA』に繋がっていて、本当に痺れた。でも一番ぞっとしたのは「あの」MEGALOVANIAを弦楽器に演奏させることだと思う。あれはどう考えてもチェロやコントラバスに弾かせていい譜面ではないし、奏者の腕と弓が心配になる。
・プログラム最後の楽曲が『むかしむかし…』で、公式パンフレットには「最後の楽曲を聴き終えた後に感じたお気持ちが、多分UNDERTALEという作品の重要なメッセージのひとつではないかなと思いながら制作した」とあった。「人の心とか無いんか」と思った。ゲーム的には正しいのだが、Gルート後のPルートでのエンディング映像を流すのは、マジのバッドエンドである。エンディング映像はプログラムCでも流しているのに、わざわざエンディング映像を変えてくるのだ。ひどい。
でも考え方によっては、「一度壊してしまったものはもう戻らない」「何かをめちゃくちゃにしたならその罪はその後にどんな善行を積んでも消えない」ということなのかもしれない。
・アンコールは『ぷんすかみゅうみゅう』と『MEGALOVANIA』のメドレー。やっぱりMEGALOVANIAは弦楽器に演奏させていい曲ではないと思う。終わった後は奏者さんへの感謝とお疲れ様でしたの気持ちを込めて肩が痛くなるまで拍手した。本当に素晴らしい演奏だった。
・繰り返すがプログラムDはGルートイメージのプログラムなわけで、「演奏が終わった後にモニターに表示されるロゴからサンズが消えてたらどうしよう」と不安に思っていたが、そんなことはなかった。本当によかった。
終わりに
プログラムCの、『UNDERTALE』の物語を思い出に浸りながら堪能する演目も、プログラムDの、「やだ」「やめて」と思いながらも後戻りできなくなっていく感覚も、どちらも本当に素晴らしくて、通しで見ることが出来て本当に幸せでした。
ありがとうUNDERTALE、ありがとう『UNDERTALE SYMPHONIC CONCERT 2024』。
そして私は感情の整理が追い付かず、帰りにビールを開けました。